そもそも、家事シェアはなぜした方がいいのか。「家族が将来困らないため」と話すのは、ナチュラルライフ研究家の佐光紀子さんだ。

「私の知人に、奥さんが1人で家事を担っていた家庭があります。ところが奥さんが入院すると、家族の生活が立ち行かなくなったんです。今後こういうケースは増えるはず。家事分担の目的は、家事を等分することではありません。妻が動けなくなった時に家族が困らないようにすることだと思うんです」(佐光さん)

 それを踏まえ、何をどう分担するか話し合う際、次の点に気をつけるべきと、家事シェアのノウハウを紹介しているNPO法人「tadaima!」の三木智有さんは言う。

「一方的に命令するのではなく、どの家事がいつできるのかを自分で考えてもらいましょう。本人が納得して始めない限り、夫の重い腰は上がりません」(三木さん)

 じっくり話し合うのもいいが、日常会話の延長で決めるのもいい。例えば夫が、「洗濯なんてボタンを押せばいいだけじゃないか」などと文句を言った時がチャンス。「そう、簡単なの。だからあなたがやってくれない? それか、干して取り込んで畳むまでをやるのでもいいし。どっちがいい?」などと穏やかに提案してみよう。そして、夫に家事を委ねたら、口を挟まず、手助けをしないこと。やり方が気に入らないからと文句を言ったり、やり直しをさせると、モチベーションが下がる。

「大切なのは、夫が約束の家事を忘れても尻拭いしないこと。自分がやらなくても妻がやってくれるとアテにされてしまいます」(佐光さん)

 また、仕上がりが気になるなら、上手なやり方を具体的に教えればいい。男性は論理的な説明の方が納得しやすい。

「大事なのは分担すること自体ではなく、家族が気分よく生活できるようになること」と、佐光さんは続ける。妻側に求められることは、相手を責めずに信頼し、自分の家事へのこだわりを捨てることなのだ。

※女性セブン2019年9月26日・10月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン