リーマンショック後の2009年以来、10年ぶりに不参加を表明したBMW
さらに世界市場が拡大し、それぞれの市場でモーターショーを開催するようになると、ひとつひとつのショーの重要度も、当たり前のように小さくなる。そのため“すべてのショーに参加するのをやめて、参加するショーを厳選する”という自動車メーカーが登場した。最初は小さな動きであったが、ここ2~3年で、その動きは一気に拡大している。
例えば、ドイツのフランクフルト、フランスのパリのショーでも、参加見送りをする自動車メーカーが続出。2019年9月開催のフランクフルトのショーに参加する日系メーカーはホンダだけ。あとはすべて棄権している。
もちろん、そうした流れは、東京モーターショーにも直撃している。今年の東京モーターショーに出展する海外ブランドは、メルセデスベンツ、スマート、ルノー、アルピナのみ。出展者が減れば、当然のように出展される内容も乏しいものとなる。そうしたことが、東京モーターショーの注目度の低下と来場者数の減少という結果を生んだのだ。
日本のユーザーも多いVW(フォルクスワーゲン)も不参加
さらに今年の東京モーターショーには大きな試練が降りかかる。それが2020年に開催される東京オリンピックだ。オリンピックの都合によって、会場の使用が大きく制限されるのだ。
これまでの東京モーターショーは、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催されていた。当然、1か所だけだ。ところが、今年は東京ビッグサイトを全面的に使用することができず、隣の駅に設置された分館とメガウェブ(※江東区青海のパレットタウン内にあるトヨタ自動車の展示ショールーム)も併用することになった。
つまり展示会場が2か所に分断される。その距離は600m以上。無料シャトルバスや展示兼用の通路も用意されるが、利便性は大きく低下する。ただでさえ辛いのに、さらなる過酷な条件が追加される、まさに“泣きっ面に蜂”状態。それが今年の東京モーターショーなのだ。