家計管理と料理の質の上げ方について遠山景織子と細野真宏氏が対談
細野:これまでの家計簿というのは、それこそ、レシート1枚の品目を全部書き写す、といった感じですね。さすがにこれは「苦行」だとぼくも思いましたね。だからこそ、一番ラクに家計を管理できる方法を考え続けたんです。
遠山:えっ、普通の家計簿って全部書いて仕分けするんですか? 例えば、スーパーの買い物で食材だけでなく日用品も入ったりしていますよね。それをイチイチ抜き出して書き込むってことですか?
細野:そうですね。あとは、食材もすべて細かく書き出す、という感じですかね。
遠山:あ~それは絶対に無理ですね…(笑い)。今みたいに、底値で買えたとか、ピンポイントで書いた方が頭にも入りやすいですし、絶対にシンプルな手書きのほうが私はいいです。
細野:『家計ノート』は今年で11年目ですが、それまでは「情報が多いほうが良い」と考えられていたみたいなんですよね。だけど、やっぱり「シンプル イズ ベスト」で、レシート1枚につき1行というシンプルな形にすることで、自分の行動や消費癖などが逆に自然と見えるようになるんです。
遠山:そうですね。1年通して書いたら、今年は「何月にこうだったんだな」と見比べる楽しさも出てくるというか。
細野:そうそう、家計は月ごとにバラつきがあるから、前の年との比較もかなり大事なんですよね。
遠山:なるほど。私は、毎月の最後にある「集計ページ」はいいなと思いました。全部をまとめるところ。そうすると、「今月、息子の誕生日だったから」とか書いておくと、1年間続けた時に「そういえば誕生日にアレ買ったのかぁ」と思ったりとか、日記にもなる。だから、いつもリビングに置いて書く習慣になりやすいですね。
【プロフィール】
◆遠山景織子/1975年東京都生まれ。一児の母。1993年、映画『高校教師』のヒロインとして女優デビューを果たすと、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などの新人賞を総なめに。オフィシャルブログで公開しているお弁当の写真が大好評。12月20日(金)より、こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて舞台『巌窟王 Le theatre』に出演。
◆細野真宏/日常よく目にする経済のニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録した。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、金融・経済教育の重要性を世に問い続けている。
撮影/矢口和也
※女性セブン2019年10月17日号