聴力低下に気づいて滲出性中耳炎を治療しても、大本の原因である上咽頭がんを見逃しているとがんが着々と進行し、気づいた時は末期という怖れがある。秋津医院院長で内科医の秋津壽男医師が指摘する。

「脳腫瘍の一種である聴神経腫瘍も痛みなどの自覚症状はなく、片耳だけ急激に聞こえにくくなります。普段過ごしているリビングで特定の方向から家族の呼びかけが聞こえなくなったら要注意です」

 耳が聞こえづらくなった場合、「痛みがなく、片耳が、徐々に」が重病のサインとなる。この3つが揃ったら、耳鼻科を受診したほうがよいということだ。早く気づけるほうが望ましいので、日常生活で注意を払うようにしたい。

「雑踏での人の会話が聞き取りにくくなったり、救急車のサイレンがどちらから聞こえるかわからなくなったら要注意です。『テレビやラジオの音が大きい』などと家族に注意された場合も気をつけてください」(坂田医師)

※週刊ポスト2019年11月22日号

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