うつ病を含む感情障害の患者は全国に約127.6万人いる(厚生労働省『患者調査』2017年より)。特に40~50代男性の発症が増えており、多くの妻にとって「夫がうつ病になり失業…」という事態は他人事ではない。もしそうなったらどうすべきか──専門家に聞いた。
◆きちんと休ませる
うつ病になる男性は、真面目な仕事人間が多い。休職していても会社のメールなどをチェックしてしまい、それがまたストレスになる。
「きちんと休ませることが大切なので、仕事から引き離しましょう」
こう語るうつ病専門医の廣瀬クリニック院長・廣瀬久益(ひさよし)さんの患者の妻の中には、夫からスマホとパソコンを取り上げた人もいたという。空いた時間は、自分と向き合う作業をすべき。体調や幸せを感じた出来事、自分はどういう人間なのかをメモする。これがうつ病を克服した後の人生設計図になる。
◆夫の診察内容を一緒に聞く
症状が一進一退を繰り返すのがうつ病の特徴。夫の病状を把握するためにも、診察への付き添いはした方がいい。うつ病の時は記憶力も衰えており、夫だけでは病状を把握できない場合もある。症状が悪化し、労災の申請をする時も、診察内容のメモがあると、状況を説明しやすい。
「夫がどの薬をのみ、どう変化したかを記録し、処方されている薬が合っているか、その都度、医師に相談することも大切です」(廣瀬さん・以下「」内同)
◆復職の練習に付き添う
「家族以外の人と交流させるなど、復職には段階を踏む必要があります。そのハードルは思った以上に高いと覚悟してください。医師と相談しながら焦らずに進めましょう」
復職には医師の診断書が必要。自己判断で出社し、悪化させるケースも少なくない。
「復職が決まった日の数日前から、夫と一緒に会社の近くまで行くなど練習をし、復職後もしばらくは一緒に通い、出社するまで見守るのがおすすめ」
※女性セブン2019年11月28日号