ところがその後、どうもうまくいかないとわかると『分配』も必要なのではないか、とお考えを改められたようです。2016年の骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2016)では、突然、『成長と分配の好循環』を掲げられたのです。『分配政策』はやめると言っていたのに、いきなり『富の創出』を『分配』に差し替えたのです。
この潔さは非常に立派だと思います。
そして、この大きな政策転換に関して、一言も世間に対して説明がありません。この姿勢、極めて控えめで素晴らしいと思います。
安倍首相の良さはいろいろありますが、その一つとして私はこの「潔さ」「控えめさ」を讃えたい。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号