──今後、日本は少子高齢化と人口減少が加速していきます。どこに活路を見出していく?
近藤:ここ10数年、ケンタッキーの店舗数はあまり変わっておらず、現在国内で1130店舗強です。
ただ人口動態が年々変化していく中で、店舗の配置は刻々と調整しています。これからさらに強化していきたいのはデリバリーの分野です。「時間を有効活用したい」と考えるお客様が増え、デリバリービジネスはすさまじい勢いで伸びていますので。
一方、街中の小さなスペースでのテイクアウト専門店にも商機が出てくると考えている。11月29日に、イトーヨーカードー新宿富久店内にテイクアウト専門の実験店を出しました。
周辺はタワーマンションをはじめ集合住宅も多くニーズがかなり見込める地域です。このチャレンジが成功すれば「近くにケンタッキーの店がないからコンビニでチキンを買った」というお客様にも訴求していけるでしょう。
自慢のチキンを通じて「おいしさ、しあわせ」をお届けするため最善の策を考えていきたいですね。
【PROFILE】こんどう・まさき/1955年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、1978年三菱商事入社。1985年コロンビア三菱商事。食品本部コーヒーマネージャー、伯国(ブラジル)三菱商事社長、生活産業グループCEO補佐(人事担当)を経て、2014年から日本KFCホールディングス株式会社代表取締役社長。
●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号