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上原浩治氏、「球種を増やさない」の考えが選手生命延ばした

あえて少ない球種で勝負師た理由は?(撮影/谷本結利)

 2019年5月に引退した元巨人・上原浩治氏(44)。自身の引退までの心の動きを綴った著書『OVER 結果と向き合う勇気』を上梓したばかりの上原氏が、先輩投手らから学んだ大切なことについて語る。

 * * *
 巨人の若手には「人に聞く」ことを大事にしてほしい。僕もこれまで多くの先輩や指導者に出会ってきて、そこで頂いた言葉が自分の支えになっています。

 桑田(真澄)さんには外野でジョギングをしながら開幕投手の心構えを教えてもらいました。「上ばかり見るな、苦しくなるぞ」と諭してもらったこともある。大事にしている先輩方の言葉を数え上げればきりがありません。

 中でも大きかったのが僕のプロ入り2年目(2000年)に巨人に移籍してきた工藤(公康)さんの存在でした。当時の僕は、投手としてレベルアップし、将来メジャーでプレーするためには「球種を増やす」ことが必要だと考えていた。

 ところが工藤さんに相談すると『球種を増やすのではなく、いま持っている球を磨け』と言われたんです。それよりもひとつの球種で2つ、3つのバリエーションを作れるようになれ、と。たとえばフォークボールも、イン・アウトにしっかりと投げ分けられれば、それだけで2つの武器になる。

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