もちろん多くの球種を持つこと自体は悪いことではありません。大事なのは、ここ一番の勝負となった時に、そのすべてを自信を持って投げられるかということ。おそらくそんなピッチャーはほとんどいません。だったら絶対的な自信を持てる球種を磨いておいたほうがいい。
工藤さんの教えのおかげで、僕は重要な局面、カウント3ボールからでもフォークボールを投げることができた。工藤さんからの学びを貫いたことも、現役生活を長く続けられた理由だと思っています。
●取材/佐々木亨(スポーツライター)
※週刊ポスト2020年1月3・10日号