一方で、福太郎を総理大臣を輩出する家の2世議員にしたのは、政治の世界の「ファミリー感」を描きたかったからです。国会議員は特別職という特殊な立場ではあるものの、一介の公務員ですよね。
私は親が教師だったせいか、公務員の良さもつらさも想像がつくんです。もちろん、国会議員と教師とでは規模も仕事の内容も違いますが、まずはかれらのことを一人の人間として見たいなって。小さいころ、先生は「親の仕事仲間」でもあったので、先生たちの集まりについて行くと、私の隣でお酒飲むんですよ。それで、「炯子ちゃんよく来たね~、大きくなったね~」とか言われて(笑い)。もうそうなると、先生というより「うちに来ていたあのおじさん」っていう認識になる。そういう世界に生きていた経験があると、教員の世界、公務員の世界は家族の延長のような、ある種のファミリーのような感じになるんです。政治の世界も同じではないでしょうか。
有名な2世議員って、政界に出てきたときからいきなり馴れ馴れしい感じがしますよね。それって、「そういうこと」だと思うんです。政治の世界での振る舞い方が成長の過程でなんとなく身についているから、違和感なくすっと入っていける。そういう空気感みたいなものを、福太郎で描きたいと思っています。
大変なのは現実の政界でマンガでも描かないようなスキャンダルが起きていることです(笑い)。負けないように問題提起をして、今後はタイトル通りこのマンガは基本「ラブコメ」なので、ちゃんと「恋」も本格的に描いていきます! もし誰か政治家にこの漫画を読んでもらえるとしたら、ぜひ菅義偉官房長官にお願いしたいです。ある意味ファンなんですよ。意外なところで脇が甘くて、なんだか嫌いになれないんです(笑い)。