寅さんもリリーとすれ違っては、旅先で再会するでしょ。もちろんオレのケースと違って2人の関係はもっと深いけれど、俺もリリーと同じでこんな商売をやっているから、個人的に想い入れがある。やっぱりさ、リリーがいないと「男はつらいよ」がしまらねぇんだよな。
◆第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973年、監督/山田洋次、上)
【あらすじ】北海道を旅する寅次郎は、網走で旅回りの歌手・リリーに出会う。独り身で浮草稼業のリリーと寅さんは、境遇が似ていることから意気投合。互いに心ひかれあっていく。リリーは今作含め、6作品(第11、15、25、48、49、最新作)にわたって登場する。
◆第15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』(1975年、監督/山田洋次、右)
【あらすじ】青森で知り合った中年サラリーマンと旅する寅次郎は、函館のラーメン屋台でリリーと再会する。意気投合した3人は、自由気ままに初夏の北海道を旅するが、ある日寅次郎とリリーは大喧嘩。降りしきる雨の中、寅次郎はリリーを柴又駅まで迎えに行く。
●たまぶくろ・すじたろう/1967年、東京都生まれ。ビートたけしに弟子入りし、1987年に水道橋博士と「浅草キッド」を結成。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号