私の知人男性が受けた接客もひどいものでした。某有名セレクトショップに入って、カジュアルシャツを試着したそうです。シャツというのは丈が長ければタックインし、短めだとタックインしないという着用方法が一般的ですが、そのシャツはタックインでもタックアウトでもどちらでも着られる丈の長さだったそうです。
そこで、知人が「このシャツは裾をインするか、出して着るか、どちらが良いですか?」と販売員に質問すると、販売員は気取った口調で「いやあ~、出して着てもらってもインして着てもらっても良いんですよ」と答えたそうなのですが、「より良く見えるのはどちらか」という質問に対しての返答にはなっていません。
こうした事例以外でも、気分が悪い販売員がいたという声はたくさん聞こえてきます。
「いつも押し売りみたいな販売員にしか出会ったことがない」
「試着してM・Lサイズのどちらが見栄えが良いか聞いたら、面倒くさそうに『どっちでも良いんじゃないですか』って言われた」
「商品の寸法を聞いたのに、それに答えず『試着しましょう』の一点張りで『ですから胸周りは何センチなんですか?』と尋ねても無視された」
こうした販売員の対応が嫌だから服屋に行かないという人は数多くいます。接客スキルの高い販売員も確かにいますが、反面、明らかに会話が成立しない低スキルの販売員も珍しくありません。
アパレル業界はビジネスを始めるにあたってどの職種でも一切免許や資格が要りません。ですから、スキルがなくても販売員として採用されてしまいますし、特に今は人手不足なので販売員になるためのハードルも下がっています。彼らもいずれは経験値を積んで接客スキルは上達するのでしょうが、それまで顧客に嫌な思いをさせてしまえば、店全体のイメージダウンにも繋がりかねません。