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心電図検査 心筋梗塞や狭心症の発見が難しい理由

異常が現れたらもう手遅れ(写真/AFLO)

 毎年、体に異常がないかをチェックするために受ける「健康診断」。採血し、心電図を取り、便や尿を提出し、そして医師の問診を受ける──だが、「毎年これだけ調べているから安心」とはいえない。検査を受けることで、かえって“健康を損なうリスク”があるのだ。

 命に直結する「心臓」の検査にも落とし穴がある。ベッドに横たわり、胸や手足に電極を付けて心拍を計測する心電図検査だが、こちらは「不整脈」を見つけるための検査であり、日本人の死因第2位である「心血管疾患」に分類される「狭心症」や「心筋梗塞」を発見するのは難しい。ナビタスクリニック理事長の久住英二医師が指摘する。

「狭心症のなかでも男性に多いのは、動脈硬化が進んで心臓の血管が細くなる『労作性狭心症』。これは、運動時などに十分な酸素を心臓に運べなくなり胸痛などを起こします。また中高年以降の女性に多い『異型狭心症』は心臓の血管が痙攣することで生じます。どちらのタイプの狭心症も心電図での診断は難しく、胸痛などの症状のみで診断することが多い」

 心筋梗塞は、狭心症が進行して心臓の筋肉が壊死した状態を指す。こちらは「心電図に異常が現われたときには手遅れ」だという。

「心臓の筋肉が大きく壊死している状態だと特徴的な心電図波形が現われますが、部分的に壊死した状態では診断できません」(同前)

 久住医師によれば、「本来の目的である不整脈も見逃すケースが多い」という。

「心電図検査を実施する数分間のうちに発作が出ないと、不整脈は検知できません。3心拍ごとに異変が生じる『三段脈』というタイプは心電図でも検知しやすいのですが、ほとんどのケースは治療する必要がない。要治療の疾患は検知できず、治療不要の疾患を検知するのが心電図検査の現実です」(同前)

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