「魔法の靴」が騒動に(写真/AFLO)
東京五輪マラソン日本代表争いにしても、昨年9月のMGCで上位2人がすでに代表に内定しているが、「残り1枠」を巡る選考レースが3月に控えている状況だ。男子では「東京マラソン」「びわ湖毎日マラソン」が選考レースとなり、そこで大迫が「厚底」を履いて出した日本記録を更新することが代表入りの絶対条件となる(更新した選手がいない場合、MGC3位の大迫が代表内定)。前出・酒井氏はこう話す。
「世界陸連が3月中旬に結論を出すというスケジュールである以上、それより前の東京マラソンなどで使えなくなる事態はまず考えがたい。仮にそんなことになれば、走りの感覚は大きく変わり、選手たちは早急な調整を余儀なくされる」
一方で、東京五輪本番で禁止されるのであれば、ナイキの厚底を使わずに速く走れる選手を選んだほうがいいという考え方もあり得る。
代表選考と「厚底規制」問題についてどう考えるか、日本陸上競技連盟に見解を問うたが、「世界陸連から正式に公表されている内容ではありませんので、陸連としてお答えできる内容ではございません」とするのみ。とにかく“結論を待つしかない”という状況になっているのだ。
※週刊ポスト2020年2月7日号