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2020.01.30 16:00  週刊ポスト

検便、胸部X線、バリウム検査… 古い検査はリスクも大きい

検便、毎年やっていても…

 都内在住の50代男性は毎年の健康診断で、大腸がんを調べる便潜血検査(検便)を受け続けた。便の表面を擦って採取した検体を提出する検査だが、結果はいつも「異常なし」だった。

 だが1年ほど前から下痢と便秘を交互に繰り返すようになった。肛門に痒みも感じるようになり、肛門科を受診して細胞診断すると、がんとわかった。慌てて専門医を受診すると、大腸がんのステージ2と診断された。

 男性は「検便で異常がなかったから安心していた」と、後悔を口にした。ナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師は「検便だけでは大腸がんを見逃す確率が高い」と指摘する。

「検便は、がんやポリープが原因で生じた出血の有無を調べる検査ですが、小腸に近いところにがんができた場合、通る便がまだ柔らかいため出血しにくい。ステージや大きさ、場所によっては検便で腫瘍を見つけることは難しく、大腸がんの1~3割を見逃すとの研究結果もあります。

 健康診断で大人数に対して安価に行なう検査としては効果的ですが、個人のがんを早期に発見するという意味では、信頼できる検査はほかにある、というのが実情です」

 日本人男性の部位別がん死亡数トップの肺がん。昔から行なわれる胸部X線検査(レントゲン)も見逃しリスクが大きい。NPO法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が指摘する。

「X線写真は解像度が低く、1~2cm程度の初期の肺がんを発見することは難しい。しかも心臓や肋骨と重なった部分のがんや、血管や横隔膜の陰などに隠れたがんはX線写真では読み取りにくい。腫瘍がある程度の大きさで見つかった段階で、既に進行がんというケースも多い」

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