糸魚川―静岡構造線断層帯が走る長野県では、断層帯全体が動いた場合、最大で「死者7000人以上、負傷者3万7000人以上」「建物の全壊・焼失は10万棟近く」の被害が出ると予測されている(2015年3月)。
「Sランク」の活断層に注意するのは当然だが、恐ろしいのは、今回の調査研究の対象になっていない「未知の活断層」の存在だ。
2004年10月の新潟県中越地震、2008年6月の岩手・宮城内陸地震、2018年9月の北海道胆振東部地震などは、いずれもそれまで知られていなかった活断層で起きた地震だった。
「特に首都圏周辺は、関東ローム層という、火山灰などが堆積した軟らかくて分厚い層に覆われているため、断層を確認することが困難。首都圏の活断層のほとんどは“あっても見えない”状態なのです」(島村さん)
全国のどこで起きても不思議ではない、活断層が引き起こす大地震。「明日、来るかもしれない」と考えて、万全の備えをしておきたい。
※女性セブン2020年2月13日号