多くの車が立ち往生すれば、救急車や消防車などの緊急車両も動けなくなる事態も予想される。
また、期間中は交通状況に応じて首都高の入り口が最大で約30か所閉鎖される。それに備え昨年7月には交通規制実験が行なわれた。その結果をもとに交通ジャーナリストの清水草一氏が話す。
「首都高上りは本線料金所のレーンを絞ったため、そこを先頭にかなりの渋滞となりました。そこから都心側はガラガラで渋滞もなかった。
一方、大渋滞が発生したのが、甲州街道や国道246号線の環状七号線よりも外側でした。グリッドロックが起きるとすれば郊外側でしょう」
また、東京都と五輪組織委がまとめた「大会輸送影響度マップ」では、最も道路が混雑するのは月末の金曜日である「7月31日」とされている。
◆事故率5倍の「外国人レンタカー」リスク
交通事故総合分析センターの調査研究(2019年)によれば、訪日外国人がレンタカーで事故を起こすリスクは、日本人の約5.5倍だった(※道路利用頻度を考慮した指標「相対事故率」による比較)。五輪観戦と併せた観光の足としてレンタカーを選ぶ訪日客も多くなる。
同研究では、事故に遭った訪日外国人の9割以上が右側通行国出身者で、事故類型としては出会い頭や右直(右折車と直進車)事故が多いという。
※週刊ポスト2020年2月21日号