◆出題者の心理から正解確率の低い選択肢がみえてくる?
選択式問題では、出題者の心理を考えてみることも一考に値する。出題者は問題を作成するときに、どんなことを気にしているだろうか?
ふつうは、正解の選択肢があまりに不自然なものとなり、あとで第三者から出題内容に疑問を呈されるようなことにならないかどうか、気になるはずだ。特に、出題内容が後日公開される試験では、正解の選択肢が妥当なものになるよう気を配るだろう。
そう考えれば、正解の確率が低い選択肢が、浮かび上がってくるかもしれない。
たとえば、【問題1】のような三者択一の問題をいくつも出す場合、(c)の選択肢ばかりが正解となるようなことは避けたいだろう。
また、【問題2】で、(a)、(b)、(c)を、その順番のまま「春」、「夏」、「秋」とする回答を正解とすることは、少し気になるかもしれない。
さらに、【問題3】で、(a)~(c)全部が春の星座という回答を正解にすることは、できれば避けたいだろう。また、問題文にただし書きを加えて、「ただし、(a)~(c)のいずれも春の星座でない場合は、『なし』と答えなさい」と断っていたとしても、実際に「なし」を正解とすることには、少し勇気がいるはずだ。
もちろん、出題者が受験者の裏をかいて、あえて同じ記号ばかりを正解としたり(【問題1】)、同じ順番のままを正解としたり(【問題2】)、「全部」や「なし」を正解としたり(【問題3】)する可能性もある。こうした出題の傾向をつかむためには、過去の出題内容を調べてみることが参考になるかもしれない。