国内男子ツアー最多94勝の尾崎将司(73)が2月1日、千葉県で中学生から大学生を対象にした「ジャンボ尾崎ジュニアレッスン会・ISPS」を開催し、ジャンボ軍団のプロたちとともに子供たち32人を指導した。
ジャンボ尾崎が1人で技術を教えるという組織ではなく、軍団のメンバーが高いプロ意識を持ちながら集団を形成し、練習やラウンドを通してお互いの技術を高めていくという。
レッスン会には、尾崎健夫、飯合肇、川岸良兼、金子柱憲などの男子プロに混じって原英莉花プロも参加した。ジャンボ尾崎が送り出した黄金世代のひとりである。
原英莉花プロは、「子供の頃を思い出しながらスイングを見させていただきましたが、技術を言葉で伝えることの難しさを実感しました」とコメント。
ジャンボは、「夢を持つ若い子に協力できるなら」と自ら原石を見定めた。ジャンボが後方に立つだけで緊張してミスショットを連発した中学生もいた。軍団のメンバーはこんなアドバイスを送っていた。
「スイングに丁寧さがない。最も大切なのはバックスイングで、少しでも油断すると正確なインパクトができなくなる」(尾崎健夫プロ)
「スイングも大切だが、体幹を鍛えるトレーニングをしないと安定したショットが打てないことを理解しよう」(川岸良兼プロ)
そしてジャンボはジュニアたちを前に、「ゴルフはすぐにはうまくならないスポーツ。1年後、2年後、3年後を目指し、いいことを継続する。そんな心構えで頑張ってほしい」とエールを送っていた。
【プロフィール】おざき・まさし/1947年、徳島県生まれ。海南高では投手として選抜高校野球に出場。1965年にプロ野球・西鉄ライオンズに入団するが、1967年に退団。21歳からゴルフを始め、23歳(1970年)でプロテスト合格。1971年「日本プロゴルフ選手権」で初優勝。国内ツアーで12回の賞金王に輝く。同世代の青木功、中嶋常幸らとともに、「AON」時代を築いた。
◆撮影/太田真三 取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2020年2月21日号