国内
2020.02.17 16:00 週刊ポスト
江戸時代には日本国憲法の天皇観が既にあった不思議

評論家の呉智英氏
大昔から続く伝統的なもの、考え方だと疑わずに信じられていることは案外多い。時代にあわせて変遷を繰り返し、意外な時代と現代が似通っていることもある。評論家の呉智英氏が、天皇観の移り変わりについて解説する。
* * *
少し前のことになるが、学生からこんなことを聞かれた。
「日比谷に昔は野球場があったんですね」
ん? 日比谷に大きな公園はあるが、そこに野球場なんて…。あ、そうか、こいつは老人たちが「宮城前広場」と言っているのを聞いて「球場前広場」だと勘違いしたのだ、と気付いた。
皇居という名称は、戦後の一九四八年改称以後のことであり、それまでは宮城と言った。戦後数年間の大規模なメーデー集会は宮城前広場で行なわれている。我々が当然のように使っている「皇居」は七十年余の歴史しかない。その「宮城」も一八八八年(明治二十一年)以後の名称だから六十年間だ。最も長期間使われた名称は奠都(てんと)以前の「江戸城」である。
天皇家の住居の名称だけでも何度も変更されては忘れられる。
産経新聞に「100年の森 明治神宮物語」という連載企画がある。明治神宮造営にまつわる経緯や逸話を紹介していて興味深い。一月三十日付には、こうある。
明治四十五年七月「明治天皇の病気が公表され」「二重橋前の広場には」「大勢の人々が昼夜集まり、回復を祈った」。これについて「九州産業大の平山昇准教授は『明治時代前半なら天皇に関心がない国民も多かったが、日清・日露戦争の勝利をきっかけに〈天皇のおかげ〉という意識と尊敬心が非常に高まっていた』と話す」。
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