国内

小中学生に1人1台PC構想、どうすれば安く済ませるか

総事業費は4000億円は高すぎないか?(イラスト/井川泰年)

 4月からプログラミングが義務教育で必修になることもあり、教育ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)環境の整備が進められている。2023年度までに小中学校の全学年で一人に一台コンピューターが割り当てられる予定だ。経営コンサルタントの大前研一氏は、その構想自体が古くさく、意味がないと断じている。より現実的な教育現場のICT環境について、大前氏が解説する。

 * * *
 全国の小中学生1000万人にパソコンを1人1台使えるようにする「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」が進んでいる。

 文部科学省のHPによると、構想の目的は「子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現」で、今年度中にすべての小・中・高校・特別支援学校などで高速大容量の校内LAN(ローカルエリアネットワーク)を整備し、2023年度までに小中学校の全学年で「児童生徒1人1台コンピューター」を実現する。政府は総事業費約4000億円のうち、手始めとして2019年度補正予算に2318億円を計上した。

 児童生徒にパソコン1人1台という構想自体には100%賛成である。しかし、そのやり方は甚だ疑問だ。

 週刊ポスト(2月7日号)は、すでに全小中学校で1人1台を実現した渋谷区の調達コストはリース料総額が1台あたり27万8000円で、東京都の都立高校の場合も同25万円に達していると報じた。渋谷区の担当者は、端末代だけでなく保守費用や無線LANの設置費用なども含まれると説明しているが、この金額が事実なら、あまりにも高すぎる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン