◆食べれば「九州」を実感──かしわうどん(福岡県・小倉駅)
北九州のターミナル駅である小倉駅では、複数の店舗が提供している「かしわうどん」がおすすめだ。
福岡・小倉駅のかしわうどん
「かしわ」とは、鶏肉の九州北部での呼び方である。やわらかめな麺とやさしい味のだし汁のうどんに甘辛い鶏のそぼろがのっており、あっさりなのに非常に旨味も感じられる一品だ。卓上にある唐辛子も程よい味のアクセントとなるので、ぜひ試してみてほしい。関門海峡を渡り、かしわうどんを食べたならば、九州に来たことを実感できるだろう。
以上、各地の「駅麺」を紹介してきた。ひとくくりに「駅麺」と言っても、駅によって味やトッピングに随分と個性が見られることがおわかりいただけたかと思う。ここでは紹介しきれなかったものも多い。旅先で、その土地ならではの味・食文化にふれてみようするとき、名産・珍味を扱う店を探すのもよいが、ホームの上で「駅麺」を食べてみても、新しい発見があるかもしれない。
●取材・文/國府田歩、鷲本康(早稲田大学鉄道研究会)