とはいえ、「超加工食品」を完全にシャットアウトして生活するのは、現実的には難しい。そこで専門家たちに、超加工食品のなかでも「これなら食べてもいい」と思うものを挙げてもらった。
いちばん支持を受けたのは「レトルト食品全般」。「超加工品のなかでは添加物が控えめ」「原材料を生かして作られている」などの理由が多かった。
また、同じ超加工食品でも、脂質や塩分が多すぎるものもあれば、比較的少ないものもあるし、添加物や油をできるだけカットした作りになっているものもある。そうした商品の特性に注目する専門家たちも多く、「一部のカップ麺」や「一部の菓子パン」などを選んで食べるとの回答も多かった。例えば、即席麺では、「ノンフライ麺を選ぶようにすれば比較的影響は少ない」という意見が聞かれた。食品ジャーナリストの郡司和夫さんはこう言う。
「インスタントラーメンにも安全なものはあります。ノンフライはもちろんですが、化学調味料やかんすいを使っていない製品を選べばいい」
ハンバーガーでは、モスバーガーやマクドナルドといった大手チェーンの名前も挙がった。米ボストン在住の内科医・大西睦子さんが言う。
「ファストフード店も、上手に使えばいいんです。モスバーガーなどの大手は、ホームページでメニューの栄養情報を開示しているので、それをチェックすることをおすすめします。ハンバーガーも種類によってずいぶん栄養価が異なることがわかるので、そのなかからヘルシーなものを選ぶこと。カロリーばかりに気を取られるのではなく、栄養素がバランスよく入っているか、塩分や糖分は控えめかなどをチェックしてほしい」
もちろん専門家たちが「食べたくない」といった超加工食品でも、食べたらすぐに病気になるわけではない。問題なのは、継続してそればかり食べてしまうことだ。秋葉原駅クリニックの医師・佐々木欧さんはこう助言する。
「スナック菓子は、カロリーが高いのに栄養に乏しい食べ物であり、そのうえ味つけの工夫で、いくら食べても満足感が得られにくく、“もっと食べたい”と習慣化している人が多くいます。食べるなら、頻度を減らして小分けの袋に入ったものを選ぶなど、食べすぎないよう工夫するといいでしょう」
超加工食品は、一見同じように見えるものでも、実は原材料がピンキリ。しっかりチェックして、賢く食べたい。
※女性セブン2020年3月26日・4月2日号