国内

飛田新地、緊急事態宣言前夜の怒号「営業したいんや!」

大阪も緊急事態宣言の対象地域とされた(時事通信フォト)

大阪も緊急事態宣言の対象地域とされた(時事通信フォト)

 4月7日、ついに日本政府が緊急事態宣言を発出した。新型コロナウイルスの感染が拡大し、いよいよ切り札が出された形だ。この影響は幅広い産業に及んでいるが、旧遊郭である大阪市西成区の歓楽街「飛田新地」では緊急事態宣言を前に大きな騒動が起きていた。宣言よりも一足早い4月3日に、飛田新地料理組合が、加盟する料亭約160店の全店の休業を始めた。その裏で、関係者の間での丁々発止の衝突があったのだ。

「何言うとんじゃ! 緊急事態宣言が出てからの休店と言うてたやないかい!」

 4月3日朝。飛田新地に怒号が飛んだ。同組合長が、突然「今日から一斉休店や!」と通告したことに、一部の店舗オーナーたちが反発したのだ。

「出勤が決まっとる女の子への補償はどうするんや!」「営業したいんや!」「感染者はいない!」

 反対派オーナーたちは、息巻いて組合長に面会すると、「ウチは開けますよ」と詰め寄った。組合は、真摯なイメージを売るためにマスコミ各社に「全店一斉休業を呼び掛けた」と発表。一部報道では「全店が休業した」とも報じられたが、実際は数店舗が強引に営業を続けていた。

 ただ、3月から大阪府に繰り返し自粛要請を突き付けられていた同組合には、指をくわえて見過ごすことはできなかった。組合長は、その4月3日のうちにあらためて、「緊急」の押印もした「厳命」という厳しい言葉を突き付けた。

「本日中に営業を自粛して下さい。明日、4月4日(土)に営業されている店舗は組合から除名処分と致します。最後のお願いです」

 こんな“最後通牒”で押さえ込むと、翌4日は大阪府からのプレッシャーへの“全面降伏”を表すかのように、全店舗が提灯をしまった──。

関連キーワード

関連記事

トピックス

メディア嫌いではなく、"特定のメディア"が苦手な大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平がフジテレビ取材陣を険しい表情で拒絶、元木大介氏の手招きに目も合わせず 新居報道以降も大谷の怒りを再燃させたフジテレビ 
女性セブン
碑文谷一家本部。熊谷正敏総長は現役暴力団員でありながら、カンヌ国際映画祭でレッドカーペットを歩いたことで有名だ
【暴力団VS闇バイト】「ウチの縄張りで強盗をしたら断固叩きのめす」有名ヤクザ組織が強盗団に“義憤文”を掲げていた 幹部が口にした“掲示の理由”
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《続報スクープ》慶應幼稚舎のお受験に巣くう“入学ブローカー”と教員のいびつな関係 有名IT企業社長の子供も斡旋か
女性セブン
田村瑠奈被告
【ススキノ事件公判】電気が流れるナイフに、赤と黒の革製の打具 殺害の3年前に田村瑠奈被告(30)が購入していたSMグッズの名前
NEWSポストセブン
加古川女児殺害事件から17年が経過した(時事通信フォト、2007年)
《未解決だった加古川小2女児殺害事件に動きが》「わずか1~2分の間にナイフで…」服役中の男(45)が関与か 手がかりは「少女のダイイングメッセージ」
NEWSポストセブン
芸能事務所所属を発表した元ウェザーニュースキャスター檜山沙耶(Instagramより)
《私生活はコスプレ好き》元ウェザーニュースキャスター檜山沙耶、「芸能事務所所属」を発表 「アニメの裏側」語る番組も人気
NEWSポストセブン
マイファス・Hiroと山本舞香の結婚は順調…?(Instagramより)
《気が強い同士?嫁姑関係は…》山本舞香にとって森昌子は「最高の姑」 「孫の面倒は見ない」“のれん分けタイプ”の姑なら結婚生活は順風満帆か
NEWSポストセブン
【山口組が抱える“空き家問題”】機関紙で明かされた「総本部」の栄枯盛衰 テニスコートにゴルフネット、食堂、警察犬もいたが、現在は5年の使用制限で「復元させないといけない」状況
【山口組が抱える“空き家問題”】機関紙で明かされた「総本部」の栄枯盛衰 テニスコートにゴルフネット、食堂、警察犬もいたが、現在は5年の使用制限で「復元させないといけない」状況
NEWSポストセブン
千葉真一さんのマネジメントを手がけていた事務所社長が急死していた
《自宅で遺体発見》千葉真一さん事務所社長が「急死」周囲に語っていた映画と千葉さんへの思い
NEWSポストセブン
井上晴美が語る、デビュー時から連続ドラマなどで活躍してきた思い出とは
《元『桜っ子クラブ』の井上晴美》人気絶頂の25歳でスキンヘッド写真集を決意した意外な理由「“髪の毛を剃ってないほうがよかった”という人もいましたが…」
NEWSポストセブン
あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《ワイルド姿キャッチ》嵐リーダー・大野智、宮古島で自由な生活を謳歌 左上腕や両肩に自らデザインしたタトゥー、過去には「クビになってもいいから墨を入れる」と話していたことも 
女性セブン
80年代のアイドル界を席巻した
小泉今日子、中森明菜、松本伊代、堀ちえみ…令和に輝き続ける「花の82年組」 ドラマや音楽活動、現代アーティストとしても活躍中
女性セブン