「グランツーリスモSPORT」で男性がイキイキ。後ろから応援する人もワクワクできる(写真提供/日本アクティビティ協会)

◆多世代がつながれる! お父さんにもおすすめ

 親が高齢になり、できないことが増えると、新しいことに挑戦するなど無理だと、家族は思いがちだ。でも認知症のある人でも楽しめるゲームはたくさんあるという。日本アクティビティ協会が輩出する健康ゲーム指導士は、さまざまな人が楽しめるコツを心得たゲームの専門職だ。

「テレビゲームには、直観的な動作だけでできるものから、体を動かしてトレーニングできるものまでたくさんの種類があります。介護の現場では、いまその人ができること、現有能力を引き出すことが重要。高齢や障害があってもゲームを楽しめる余地はたくさんあり、それをうまくリードするのが健康ゲーム指導士です。現在は201人が全国のデイサービスや、介護予防教室など地域の通いの場で健康ゲーム講座を開催しています」

 健康ゲーム指導士の養成講座には自治体や介護施設職員、介護職をはじめ、プロのeスポーツプレーヤー、ゲーム専門学校生、高校生なども参加。

 地域のコミュニティーで、孫世代が高齢者にゲームを教えながら一緒に盛り上がるという場面も増えているという。

「孤独に画面と向き合う、従来のゲームのイメージとはまったく違う新しい世界が展開されています。またアクティビティーにゲームを取り入れたことで男性参加者が増えた事例も多数。男性は単に集まるのは苦手ですが、ゲームを介するとがぜんやる気が出るのです(笑い)。講座に参加されたご家族が“お父さんのために家でもやりたい”と、ゲームソフトの問い合わせをしてこられることもあります。男性も女性も多世代が楽しく夢中になれるのも、テレビゲームならではの魅力です」

【教えてくれた人】
日本アクティビティ協会理事・川崎陽一さん●バンダイでマーケティング業務の傍ら高齢者施設でのアクティビティー支援活動を実施。社内ベンチャー大会入賞でプレイケア社設立。「楽しく健康」をテーマにシニアの社会参加寿命の延伸を支援。企業や自治体等のコンサルタントとして活躍中。

※女性セブン2020年4月23日号

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