『エール』主演の窪田正孝
役作りも徹底していた。志村さんが演じる小山田は、窪田演じる古山が幼い頃から憧れていた日本を代表する作曲家。古山の才能を認めながらも、徐々にそのセンスに嫉妬して活躍を邪魔していくという、距離感が難しい役どころだった。
「志村さんは窪田さんの役柄との関係性を体に叩き込んで、現場入りしていました。そのためか窪田さんとの挨拶がギクシャクしてしまい、志村さんははにかみながら“どうぞよろしくお願いします”という短い言葉だけで終わってしまった。でもそのあとスタッフに、“あまり親しくしちゃうと、本番中もそういう感じが出ちゃうから”と、申し訳なさそうに話していたそうです」(前出・ドラマ関係者)
撮影中、志村さんが台本を開くことは一度もなく、NGカットも1回もなかったという。
志村さんが演じる作曲家は、ストーリー上、窪田に大きな影響を与える。代役を立てた撮り直しも検討されたが、志村さんの役者魂に心を打たれたスタッフらの思いもあり、撮影分はそのまま放送され、その後はナレーションで物語をつなぐ予定だという。
志村さんの役者姿を見逃すわけにはいかない。
※女性セブン2020年5月7・14日号