コロナ後は過当競争になるとみられるアパレルのネット通販
じつはユニクロは国内のアパレルでは突出してEC売上高が大きいのですが、3月度速報ではあまりその効果が見られないだけでなく、アナウンスがありませんでした。
国内ユニクロのEコマース売上高(2020年8月期第二四半期連結)は525億円(前年同期比8.3%増)と発表されており、その堅調ぶりがうかがえ、通期売上高だと1000億円を突破できるペースで推移していますが、3月度月次でその効果が積極的にアナウンスされていないのはいかにも不可解です。
その理由は、ユニクロのネット通販の売り方の特徴に原因があるのではないかと個人的には見ています。ユニクロのネット通販は総額5000円以上で送料無料となりますが、店舗受け取りだと100円の物を買っても送料無料になります。しかし、新型コロナによって3月から時短、4月から休業が相次いでいるため、この店舗受け取りが利用できません。そのため、他社ほどのECの伸びが見られないのではないかと考えられます。
とはいえ、新型コロナは収束しても、各社のネット通販への注力はさらに強まることは確実視されていますから、今以上にネット通販は過当競争になると考えられます。そのため、ネット通販に強い企業(ユニクロ、オンワード、アダストリア、ユナイテッドアローズなど)と弱い企業(レナウンなど)の格差はさらに開く一方になることでしょう。
そして、“アフターコロナ”ではネット通販が弱いアパレル、ブランドはさらに淘汰が進むと考えられ、コロナ収束後何年間かのうちに姿を消すアパレルやブランドも相次ぐのではないでしょうか。