渋谷もガラガラ(時事通信フォト)
まずは感染症専門医の見解を尋ねた。日本感染症学会評議員で、グローバルヘルスケアクリニック院長の水野泰孝医師(輸入感染症)が語る。
「新規感染者数の中でも、特に『市中感染者』の推移に注目すべきです。現在報じられている患者数は、院内感染と市中感染を分けていませんが、その性質は大きく異なります。院内感染は、極端にいえば感染者が完全にゼロにならない限り起こり得るし、発生後は病院内での対応の問題となる。
一方、緊急事態宣言下の外出自粛で効果が見込まれるのは、感染経路不明者を含む『市中感染』の減少です。解除のためには最も感染が拡大している東京都の市中感染者を1日1桁程度に抑える必要があると考えます」
前述した“大阪モデル”の「新規の感染経路不明者数10人未満」の基準は、「経路不明者=市中感染者」と考えれば、水野医師の見解と合致する。
※週刊ポスト2020年5月22・29日号