◆中村酒造
中村酒造の酒造り資料館
400年以上前からこの地に住む中村家が文化元(1804)年に創業。清流・秋川の流域に位置し、200年以上にわたり酒造りを続ける。代表銘柄「千代鶴」の名は、昔、秋川流域に鶴が飛来したことに由来。約3000坪の敷地には、江戸時代の土蔵、室温を年間を通して6~8度以下に保つ空調完備の近代蔵が佇み、両蔵の特性を活かした醸造を行なう。
仕込みに使うのは秩父古生層に磨かれた多摩山系の清冽な水。それを地下170mから汲み上げ、米の旨味を最大限に引き出す「四段仕込み」で醸す。代々受け継いできた「淡麗でありながら、しっかりと旨味のある酒」を現代に伝える。
創業は1804年
直売所では試飲も
【住所】東京都あきる野市牛沼63【営業時間】12時~17時【休み】年末年始【酒蔵見学】事前申込が必要。無料
◆東京港(みなと)醸造
酒林(杉玉)を軒先に吊るす
江戸城開城に奔走した志士の密談場でもあった、文化9(1812)年創業の酒蔵「若松屋」。1911年に酒造を廃業したが、7代目当主の齊藤俊一氏が杜氏・寺澤善実氏と組んで2016年、都心に蘇らせた。テイスティングカーでは看板銘柄「江戸開城」など15種類以上を提供。運がよければ、その日の搾りたて新酒を飲むこともできる。
杜氏の寺澤氏。4階建てビルで四季醸造する
【住所】東京都港区芝4-7-10 【営業時間】ショップ:平日:11時~19時、土:11時~17時、テイスティングカー:平日:18時~21時、土:13時~19時 【休み】日、祝 【酒蔵見学】不可
※週刊ポスト2020年5月22・29日号