ライフ

320年続く技術や富士山の恩恵も 東京の蔵元が醸す絶品酒4種

 新型コロナウイルスだけでなく、さまざまな震災や苦難を乗り越えてきた東京には、今日も酒を醸し続けている人々がいる。そんな伝統の酒蔵と、作られる銘酒を紹介する。

◆豊島屋酒造

東京都東村山市の豊島屋酒造

 慶長元(1596)年に鎌倉河岸(現・千代田区)で創業した歴史を持つ豊島屋本店が、昭和初期、東村山に設立した酒蔵。武蔵野台地の地下150mから汲み上げる富士山からの伏流水を仕込み水として使う。明治天皇の銀婚式を祝福して命名した看板銘柄「金婚」をはじめ、江戸名物・白酒の醸造を始めたとされる初代豊島屋十右衛門の名を冠した「十右衛門」シリーズなど数々の銘酒を醸す。

 日本酒文化の発信にも注力しており、試飲も含めて約2時間の酒蔵見学では1組にスタッフ1人が案内役として付き、日本酒に関するさまざまな知識も身に付く内容となっている。

明治神宮の御神酒も納める

【住所】東京都東村山市久米川町3-14-10【営業時間】平日9時~17時【休み】土、日、祝【酒蔵見学】事前申込が必要。大人500円(無料試飲付き)

◆小澤酒造

多摩川の眺めを楽しめる庭園もある

 東京の奥座敷と呼ばれる奥多摩の地で元禄15(1702)年に創業。看板銘柄「澤乃井」は、清涼な水に恵まれた名水郷・沢井の地名に由来する。JR沢井駅近くに酒蔵や庭園「澤乃井園」を構える。酒蔵は約320年前に建てられた「元禄蔵」をはじめ、建築した時代を冠した「明治蔵」「平成蔵」で構成。“酒造りは神事なり”の精神で醸す酒蔵には所々に注連縄(しめなわ)が張られている。

 180年以上前に蔵の裏山に掘った全長140mの横井戸に湧くのは中硬水、約4km離れた山奥で約40年前に発見した湧き水は軟水と、性質の異なる2つの仕込み水が多彩な個性の酒造りを可能にしている。ラベルなどに描かれている沢蟹は小澤酒造のロゴマーク。「綺麗な水に生息する沢蟹が棲む自然豊かな地で酒造りをしていることを表わしています」(23代目当主の小澤幹夫社長)。

明治時代に増築された「明治蔵」

「きき酒処」の有料試飲コーナー

東京都青梅市の澤乃井園

【住所】東京都青梅市沢井2-770【営業時間】庭園・売店:10時~17時(軽食提供11時~16時)、きき酒処:10時半~16時半【休み】月(祝日の場合は営業、翌日休み)【酒蔵見学】事前申込が必要。無料 ※新型コロナ対策で新規申込を一時休止

関連記事

トピックス

公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
人気格闘技イベント「Breaking Down」に出場した格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)が関税法違反などの疑いで逮捕、送検されていた(本人SNSより)
《3.5キロの“金メダル”密輸》全身タトゥーの巨漢…“元ヤクザ格闘家”キムジェフン容疑者の意外な素顔、犯行2か月前には〈娘のために一生懸命生きないと〉投稿も
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン