ライフ

でんぱ組相沢梨紗 佐藤愛子&小島慶子の本にボロボロと泣いた

でんぱ組.inc相沢梨紗は、佐藤愛子さんと小島慶子さんの往復書簡エッセイをどう読んだか

 御年96歳の作家・佐藤愛子さんと、およそ50歳年下のタレント・エッセイストの小島慶子さんが熱い本音の手紙を交わした単行本『人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか』が話題を呼んでいる。『九十歳。何がめでたい』の発売から4年、変わらぬ怒り節を炸裂させる佐藤さんと、論客として知られる小島さんが夫婦関係や生き方などについて交わす激烈なやりとりには、「面白い!」「勇気をもらった」など、共感の声が多数寄せられている。

 世代も考え方も違う2人の“真剣勝負”はこんな感じで展開される。
 *
佐藤愛子(96歳)×小島慶子(47歳)
「夫婦喧嘩」をめぐる手紙のやりとり(本書より摘要)

小島慶子
 夫はなぜ、私の孤独と不安にこうも無頓着なのでしょう。それともこんなことで激昂する私は、よほど了見の狭い女なのでしょうか。

VS

佐藤愛子
 慶子さんは我慢のし過ぎです。愛し過ぎです。愛が深いから、求める愛も深くなるのです。バケツの水をぶっかけてごらん。

 *
 夫婦喧嘩の内容は本書に譲るが、そんな往復書簡エッセイ『人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか』をアイドルグループでんぱ組.Incの相沢梨紗さんはどう読んだのか。相沢さんによる書評をお届けする。

【プロフィール】
相沢梨紗/大阪出身。アイドルグループでんぱ組.incリーダーでラジオ番組を持つなどソロでも活躍。特技はお菓子作り。

 * * *
 いま、生きているうちに、この本に出会う事が出来て本当に良かったと心から思っています。

 自分に「はなまる」をつけられない。頑張ったはずなのに、頑張った気がちっともしない。そんな人に読んでほしい。自分なりの「はなまる」のかたちを知る事が出来るかも。私は「はなまる」の輪郭を知ることができたような気がしています。

 誰かのお手紙のやり取りを、こんなにのめり込み感情的に読んだのは人生で初めてのことでした。いま、自分がなぜ苦しいのか? 孤独なのか。本当に孤独なのか?

 少しずつ、お二人の言葉で確認するような時間。自分が知りたかった教えや、感じてみたかった共感に溢れていて、救われたような経験をしました。

 実際、今回「本を読んだ感想を」というお話をいただいた時は本当に嬉しくて「頑張ります!!!」と意気込んだものの、「私のような者の感想など…、要らないのでは?」という、虚ろ目な自分が脳内に登場してはどんよりと囁きかける。

 このお手紙を見せて下さったお二人に、想いと感謝を伝えたいのに「自分は必要なのか?」と考えては「ぐぬぬ~」と唸っていました。

 11通目のお手紙で、小島さんが「嫌われたくない」「失望されたくない」「佐藤さんに失礼では」と考えては不安になる。と、佐藤さんに思い切って告白をすると、「そんなことどうでもエエやん」と(実際は実に丁寧に対応して下さるのに)仰る佐藤さんとのやり取りに、自分まで不安を聞いてもらい、笑ってもらえたような気がして、すごく勇気をいただきました。ここの章はなんだか涙が止まらなくて、ボロボロと恥ずかしいくらい泣いてしまいました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

4月クールに『アンチヒーロー』で主演をつとめた長谷川博己
ドラマ『アンチヒーロー』で衣装に関する“200万円請求書”騒動 長谷川博己のオリジナルコート制作費をめぐってスタイリストと制作サイドが衝突か
女性セブン
バチカンのモンテリーズィ枢機卿(左)にインタビューしたさかもと未明さん
【拉致問題解決への祈りは続く】さかもと未明さんが振り返る「横田夫妻との交流」と「バチカン枢機卿からの言葉」
NEWSポストセブン
佐賀空港を出発される愛子さま(時事通信フォト)
雅子さま「午後だけで4回もの休憩」不安視された22年ぶり佐賀訪問で初めて明かした「愛子さまとの私的な会話」
NEWSポストセブン
《防弾チョッキ着用で出廷》「フルフェイスヒットマン」は「元神戸山口組No.2」中田浩司若頭だったのか 初公判で検察が明かした「2秒で6発の銃撃を浴びせた瞬間」
《防弾チョッキ着用で出廷》「フルフェイスヒットマン」は「元神戸山口組No.2」中田浩司若頭だったのか 初公判で検察が明かした「2秒で6発の銃撃を浴びせた瞬間」
NEWSポストセブン
ドキュメンタリー映画『Screams Before Silence』でインタビューに応じるアミット(映画の公式インスタグラムより)
《55日間のハマス人質日記》囚われた女性が語る地獄の日々「生理の時期を毎日確認されて…」【音楽フェス襲撃から1年】
NEWSポストセブン
10月8日、美智子さまは「右大腿骨上部の骨折」の手術を受けられた(撮影/JMPA)
美智子さま「大腿骨の上部骨折」で手術 待ち受ける壮絶リハビリ、骨折前より歩行機能が低下する可能性も
女性セブン
結婚を発表したマイファス・Hiroと山本舞香(Instagramより)
《マイファスHiroと山本舞香ゴールイン》2人が語った結婚の決め手と夫婦像「作ったご飯を笑えるほどたくさん食べてくれる」 結婚記念日は新妻のバースデー
NEWSポストセブン
カニエ(左)とビアンカ・センソリ(右)(Getty Images)
「ほぼ丸出し」“過激ファッション”物議のビアンカ・センソリが「東京移住計画」ラッパーのカニエ・ウェストと銀座に出没、「街中ではやめてくれ」の指摘も
NEWSポストセブン
東北道・佐野サービスエリアの現在とは
《前代未聞のストライキから5年》激変した東北道・佐野SA「取り壊された店舗」名物「佐野らーめん」の現在、当時の元従業員が明かした39日間の舞台裏
NEWSポストセブン
Snow Manの渡辺翔太と向井康二
《Snow Man渡辺翔太&向井康二》“なべこじコンビ”のサウナ帰り姿をキャッチ 肩を組んだり輪になって話したり“素”の時間を満喫 
女性セブン
9月末に給料が未払いとなり、職員が一斉退職するという事態になった足立区の住宅型有料老人ホーム。千葉県内などにもある関連施設でも同じような”未払い”が発生しているという
《見捨てられた老人ホーム》東京・足立区で「人手が回らず餓死者が…」「お風呂も入れられない」給与未払いに社長は雲隠れ…元職員が明かした“現場丸投げ運営”の実態
NEWSポストセブン
田村家のお正月の風景。左・田村正和さん、右・田村亮さん
《『古畑任三郎』では今までにない自分を》俳優・田村正和さんの知られざる晩年「もうやりきった…」77才で他界した2人の兄を語る弟・田村亮
NEWSポストセブン