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綿矢りさ、佐藤愛子と小島慶子のやりとりを悔しいと思った理由

作家の綿矢りさ氏はこう読んだ

 佐藤愛子さんと小島慶子さんが夫婦関係や人生について本音で手紙をやりとりした単行本『人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか』が大反響を呼んでいる。『九十歳。何がめでたい』の発売から4年、変わらぬ怒り節を炸裂させる佐藤さんと、論客として知られる小島さん。世代も考え方も違う2人の“真剣勝負”はこんな感じで展開する。

 *
佐藤愛子(96歳)×小島慶子(47歳)
「夫婦喧嘩」をめぐる手紙のやりとり(本書より摘要)

小島慶子
 夫はなぜ、私の孤独と不安にこうも無頓着なのでしょう。それともこんなことで激昂する私は、よほど了見の狭い女なのでしょうか。

VS

佐藤愛子
 慶子さんは我慢のし過ぎです。愛し過ぎです。愛が深いから、求める愛も深くなるのです。バケツの水をぶっかけてごらん。

 *
 そんな往復書簡エッセイ『人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか』を作家・綿矢りさんはどう読んだのか。綿矢さんによる書評をお届けする。

【プロフィール】
綿矢りさ/1984年生まれ。『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞。女同士の恋愛を描いた近著『生のみ生のままで』が話題に。

 * * *
 ともすれば深刻になりがちな夫婦喧嘩の話も、お二人は怒りのパワーで華やかに軽やかに綴っている。

その勢いに押されて、次から次へと読んでしまう。佐藤先生が小島さんに「ご亭主にバケツの水をぶっかけてごらん」と提案すれば、小島さんは「水をかけた後にそこらを拭くのがめんどくさそう」だと応え、かつてリビングの真ん中で夫に殴りかかったという話を披露。

 それに対して佐藤先生は「夫婦喧嘩の年季は入っているようだけど、まだ真髄には迫っていないねえ」と、とっておきの武器を伝授…。50歳の年の差を超え“夫婦喧嘩道”でこれほど盛り上がれるのは、馬が合う証拠でしょう。

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