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中印軍1万人が印東北部でにらみ合い 中国挑発の背景は

中国とインド間で緊張が高まっている

 中国とインドの両軍がインド東北部のラダック地域の国境を挟んで対峙しており、軍事衝突の緊張が高まっている。両軍は1962年に中印紛争で砲火を交えたことがあり、その後もいくどか軍事衝突の危機が叫ばれているが、小競り合い程度で大規模な紛争には至っていない。

 インド側は外交的な努力を続ける意向だが、中国軍は多数の軍事車両や最新鋭の兵器を持つ砲兵部隊も現地にかけつけている。中国側が軍事的にインドを挑発している形で、折から欧米から批判を浴びている香港問題に関する関心を逸らす意図も働いているとの指摘もある。米ブルームバーグ通信が報じた。

 両軍は5月5日、標高が3500メートル以上のチベット高原の氷河湖であるパンゴン・ツォのほとりで衝突、双方の多数の兵士が負傷した。それ以来、にらみ合いが続くなか、両軍の部隊が増強されている。

 中国軍は5月下旬の段階で、ラダック地域の中国国境に約5000人の兵士と装甲車両を配置し、砲兵部隊も増強。インド側も北部国境に軍を集結させており、両軍で1万人が対峙している。

 両国は5月22、23日に外交関係者が協議を行ったが、解決には至らず、今後も交渉を続けることにしている。

 中国側もインド側も軍事的な衝突は望んでいないが、軍の衝突は偶発的なきっかけで起こる可能性もあり、予断は許さない状況だ。

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