国際情報

『風と共に去りぬ』配信停止 BLM運動でハリウッドが敏感に

 昨年(2019年)のアカデミー賞作品賞を受賞した『グリーンブック』(ピーター・ファレリー監督)は、黒人クラシック・ピアニストを車に乗せて、イタリア系アメリカ人の運転手が1960年代のアメリカ南部を運転して回るロード・ムービー。2人は旅の途中で起こる様々なトラブルによって人種の壁を乗り越え、友情を育んでいくのだが、この作品についても「白人が善玉になっている」「白人が黒人の救世主のように描かれている」と批判が起こった。前出・高濱氏がいう。

「現在、ハリウッドは世論に極めて敏感になっている。『史実に反する』『差別的だ』と批判されうる作品の製作はより難しくなっていくでしょう。配信についても同様で、過去の名作の冒頭に『注意事項』を掲げる案も検討されているようです。

 私の知人のアメリカ人高校教師は“『風と共に去りぬ』が問題視されるなら、他の名作も同じことになりかねない。マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』など一連の作品は、黒人差別を痛烈に批判している。しかし『ステレオタイプに黒人が描かれている』と指摘されれば、それらを原作とした映画も十分ターゲットになり得る“と懸念していました」

『風と共に去りぬ』以外にも、すでに番組の放送・配信中止が起きている。パラマウント・ネットワークは人種差別的表現を問題視してリアリティ番組『COPS』の放送を取りやめた。まだまだ余波は広がりそうだ。

関連記事

トピックス

岸田文雄首相が訪朝するとしたら
「手土産は北の被爆者支援」岸田首相が衆議院解散前に目論む「日朝首脳会談」の現実味
NEWSポストセブン
松本人志は「数字を持っている」というのは本当か
松本人志はなぜ賞レースで起用されるのか? 視聴率からわかる“テレビ界での根強い需要”
NEWSポストセブン
今季6勝目をかけたアストロズ戦に挑む(Getty Images)
投手・大谷翔平に立ちはだかる宿敵アストロズの強力打線 MLB評論家・福島良一氏が勝負のポイントを解説
NEWSポストセブン
山川の一件で西武も苦しい状況だ
【今季1軍出場なし】巨人・中島に急浮上した「山川の穴を埋める西武復帰」の可能性
NEWSポストセブン
天海祐希
天海祐希“何度目かの大ブーム”が到来中 ナイスキャプテンシーな言動による伝説の数々
女性セブン
松本人志に相手にされる芸人と、相手にされない芸人の差はどこにあるのか
松本人志に噛みつくお笑い芸人 反応してもらえる中田敦彦とスルーされる村本大輔の違い
NEWSポストセブン
鈴木エイト氏(時事通信フォト)
【秘話発掘】なぜ旧統一教会を追及する鈴木エイト氏は「鈴木エイト」と名乗るようになったか
NEWSポストセブン
2017年「侍ジャパン」の新ユニフォームを披露した筒香(時事通信フォト)
《元侍ジャパン主砲》筒香嘉智、現在の姿に衝撃走る かつては「牛のように食べる子供だった」男が激痩せする理由
NEWSポストセブン
猿之助の両親の死因は向精神薬の摂取による中毒死とされている
市川猿之助が“遺書”で宛てた付き人兼俳優 騒動後も平然と明治座に現れる姿に「恐ろしく精神の強い人」の声
女性セブン
羽生
羽生結弦、あふれる地元愛 仙台市内のマンション最上階2部屋を2億円で購入 父の退職を機に家族で転居
女性セブン
京香の愛犬を散歩させる長谷川博己
長谷川博己、体調不良で降板の鈴木京香の自宅に通う日々“ほぼ同棲状態”で京香の愛犬を散歩する姿も
女性セブン
2010年、外国人記者クラブで会見するリナ氏。当時はプラダジャパンで部長を務めていた(写真/AFP=時事)
「ピンクの猫好きプリンセス」返金トラブルの高級スクール創立者、家賃滞納の裏で「ビバリーヒルズ移転」「16歳の息子に代表交代」
NEWSポストセブン