国内

新型コロナ接触確認アプリ「COCOA」 6割普及に必要なこと

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA(ココア)」(時事通信フォト)

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA(ココア)」(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けアプリ、通称「接触確認アプリ(COCOA)」はもうダウンロードしただろうか。「個人情報が漏れそう」「メリットはあるの?」という声を聞くが、我々はCOCOAを利用するべきなのだろうか。スマホアプリに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、COCOAを利用する意義と普及への障壁について解説する。

 * * *
 接触確認アプリ「COCOA」とは、Bluetoothを利用して、新型コロナウイルス感染者と接触した可能性について通知を受け取れるアプリだ。過去14日以内に半径1メートル15分以上接触した相手が感染した場合に通知が来るようになっている。厚生労働省が新型コロナウイルス感染症対策テックチームと連携して開発したもので、iOS端末はApp Store、Android端末はGoogle Playから無料でインストールできる。

◆目標は人口6割も現状500万ダウンロード

「(COCOAは)人口の6割が利用することが目標」という言葉が独り歩きしているが、なぜ人口の6割なのか。

 安倍晋三首相がアプリ導入を発表した記者会見で言及した「6割」という数字の根拠は、2020年4月にオックスフォード大学のクリストフ・フレイザー教授の研究グループが発表したシミュレーションだ。同じ会見で首相は「人口の6割近くにアプリが普及し、濃厚接触者を早期の隔離につなげることができれば、ロックダウンを避けることが可能となります」と発言した。

 しかし日本の人口の6割とは、ユーザー数8400万人に上るLINEに匹敵するくらいの利用者が必要ということになる。残念ながら7月3日時点でアプリのダウンロード数は約531万件であり、目標には遠く及ばない状態だ。なぜ、導入する人が増えないのか。

「個人情報が抜かれそうで抵抗がある」とある40代主婦はいう。「誰と会ったとかどこに行ったとかわかると嫌だし、面倒くさいし、だから別に(インストールしなくても)いいかな」。

 50代主婦も、やはりインストールはしていない。「この間テレビでちらっと見たけど、スマホにはあまりアプリとか入れたくないし、やり方もよくわからないし。そもそも普段から車で移動しているし、あまり人と会わないし、ねえ」。

 取材したところ、インストールをしていない人は大抵、個人情報の観点から警戒しているか、やり方がわからないとか面倒くさい、自分とは無関係と思っている人が多いようだ。

◆情報はスマホだけに記録され、消去も容易

 多くの人が引っかかるのが、個人情報のことだろう。素性の怪しいアプリを入れてしまい個人情報が流出する事件は多発しており、警戒心を持つのはおかしなことではない。本当に個人情報は漏れないのか、どこか自分のあずかり知らぬ場所に保存や記録などはされないのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン