新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の画面(時事通信フォト)
このアプリの効用は、感染者も濃厚接触者もスマホ利用者・アプリ利用者である場合に限られる。つまり、アプリの利用者が増えれば増えるほど精度が高くなることが期待できるのだ。利用者が増えるほどに効果が期待できる、という部分は、予防接種の意義や効果と似ているかもしれない。新型コロナウイルスにはまだ、有効なワクチンも治療法も存在していない。そのなかで、濃厚接触により感染が広まると分かっているウイルスへの備えとして、COCOAの利用はかなり有効なはずだ。
東京都では連日感染者数が100人超となっており、まだまだ油断できない日々が続く。もう、「なんとなく怖い、面倒くさい」で利用しない時期ではない。アプリの利用が広がることで、自分自身の命を守り、大切な人に感染させるリスクも減る。今は任意による導入に頼っているが、スマホ販売やOSメジャーアップデートの際に、自動的にインストールされる仕組みに組み込まれてもよいのではないか。今後大規模イベントも可能となるが、「COCOAインストール」をイベント参加者の必須要件としたり、学校や保護者会などで生徒や保護者、地域住民を対象にCOCOAを紹介する会を開いたり、一部実施している店もあるがCOCOAを見せることで割引などが受けられる「COCOA割」などを行ってもいいだろう。
また先日、陽性者が同アプリで登録した数が3人だったことが明らかになった。同期間での感染者数は約1200人に上り、陽性者の登録の少なさが課題となっている。現在は陽性者が自ら登録する任意性だが、陽性が明らかになった場合はその場でアプリをインストールしてもらったり、処理番号入力を勧めたりなどの対策をしてもいいのかもしれない。インストール率や利用率を上げることで守れる命がある。今後の施策や動きにも期待したい。