芸能

高田文夫氏、コロナで分かった人前で演じることの楽しさ

高田文夫が作詞に挑戦

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、4か月ぶりに人前で喋り、以前プロデュース・作詞した曲が豪華になって帰ってきて、妻から「72年間で一番いい出来」と初めてほめられた解説つきのDVDが出る話についてお送りする。

 * * *
 七夕が命日だった永六輔、上半期は何が何だか分からない内に終わり、2020年もいよいよ下半身へと差しかかってきた。下半期って言うの? もうどっちでもいい。下半身の方が楽しい事が待っていそうだ。

 世が世ならばオリンピックで、隅田川の花火大会で、暑気払いって時だ。どうしてこんな事になったんだろう。タレント・芸人も自粛、自炊、自慰暮しでさんざんな日々。私は昔からラジオのレギュラーを喋りにニッポン放送へ行き、あとはこういう連載の原稿や出版原稿を書くという日常。時折、トークショーなどに呼ばれて爆笑ライブ。それも今年はほとんど中止・延期。人前で喋る、演じるというのはしみじみ芸能生活の中で最も楽しい瞬間だったのだなァと気がついた。

 本当に久しぶり。6月30日、新宿紀伊國屋ホールでの“神田伯山独演会”にトークゲストとして呼ばれ、20分の約束を45分も喋ってやったアハハ。伯山、トリの一席は時間が押して16分。打ちあげで伯山「私も今日は何か月ぶりなんですよ、人前で話すの。アレッ? センセーひょっとして2月の伯山襲名披露の末廣亭以来じゃないんですか?」言われて気がついた。2月に末廣亭でお祝いゲストとして松村邦洋と“ものまね漫才”をやって以来の人前だった。やっぱりライブは楽しく、大切なものだ。

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