さあそんな2020年の不要不急時代、私の周りは何をやっていたかと申せば皆各々なかなかクリエイティブで──まずは私が以前プロデュース・作詞した曲を、『日本列島やり直し音頭二〇二〇』として7月22日CD発売、配信スタート。この曲は2011年、東日本の大震災があり、その年の暮れに立川談志が死に、明けて2012年春に私が心肺停止で三か月間ICU入りというすンごい事が起こったので詞を書き、佐瀬寿一の作曲(この男は学生時代からの悪友で『およげ!たいやきくん』を作った甘い奴)で演歌の西方裕之に歌ってもらって出したもの。
これを映画監督の豊田利晃が切腹ピストルズらとリメイクし、どんどん詞も増やしていってラップも入り、ZAZEN BOYSの向井秀徳や小泉今日子まで参加して歌いまくってくれている。7月24日公開の豊田監督『破壊の日』のテーマソングでもある。
DVDでは日活から『お江戸@ハート 幕末太陽傳の巻』が4枚組で出た。早逝した天才監督川島雄三のこの名作に出てくる落語を、喬太郎、志らく、一之輔ら人気者がじっくり。フランキー堺主演、なんたって私の1時間の解説トークが爆笑。女房曰く「72年間で一番いい出来」。初めてほめられた。
■イラスト/佐野文二郎
※週刊ポスト2020年7月24日号