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中国で毎年500人の小中学生が自殺、そこに至る独特な背景

自ら死を選ぶ子供が500人…

 中国では、毎年ほぼ500人の小中学生が自殺していることが明らかになった。父母から過大な期待をかけられるだけでなく、教師からも大量の宿題を課せられ、テストの点数が悪いと叱責されるなど、追い詰められた子供たちが死を選ぶという最悪のケースが散見される。この背景について、ネット上では「子供に対する親の期待の大きさが子供を追い詰めている」とともに、「教師の質の低下が、子供たちの自殺に拍車をかけている」との書き込みがみられている。

 中国江蘇省常州市の小学5年生の男子生徒S君が6月中旬、学校での国語の作文の授業が終わった後、小学校の屋上から飛び降り自殺をした。

 その発端となったのは、国語教師のY氏が授業中に、S君が書いた作文について、「まったくダメだ!」などと叱って、頭を叩いたり、体を蹴るなどの暴力行為を働いたことだという。S君は、Y氏に反抗して、飛び降り自殺したとみられる。

 Y氏は日ごろから生徒に厳しく、作文の出来が悪いと、生徒に罵声を浴びせたり、暴力を振るうことも日常茶飯事だったという。このため、多くの生徒がY氏を恨んでいたとの証言も出ており、小学校の校長も、Y氏にたびたび注意していたが、Y氏は「私は生徒の作文の能力を伸ばすために、努力している」などと答えて、意に介する様子は見せなかったという。

 一部の生徒の保護者からはY氏について「教育熱心で、しっかりと子供を鍛えてほしい」などという声も出ており、S君の父親も春節(旧正月=今年は2月)の際、Y氏に紅包(中国のお年玉)を渡して、「子供のことを頼む」などと懇願していたという。

 中国では私立中学や高校、大学と受験競争が激しく、小学校から猛勉強をしないと、難易度が高い大学に入学できないという背景がある。このため、親は子供が小さいころから、勉強を強要し、子供の負担になっているのが実情だ。

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