「夜の街クラスター」が各地で発生しているなか、多忙を極めているのが東京都の新宿区保健所だ。
約240店のホストクラブを筆頭に、“3密”の店が連なる同区の歌舞伎町は常に集団感染リスクを抱えており、緊急事態宣言前から連日のように2桁超の感染者数を記録してきた。7月29日現在、新宿区の感染者数は1749人となっている。
「クラスターが発生した店の調査に、濃厚接触者の追跡、入院先の調整と区の保健所業務は昼も夜もなく、常にパンク状態でした。“第2波”が到来して以降は都が応援スタッフを投入し、7月11日には小池百合子都知事が、区の保健所を支援する『第二保健所』構想を発表しています。いわゆる分室のような組織で、重点的にサポートするのはやはり新宿区ということです」(都庁担当記者)
現在、新宿区保健所の感染症対策スタッフは年初の4倍以上となる150人に増員されているという。職員の負担は減ったのか。
「感染者の増大が続いており、楽になったということは全然ないです。7月以降、区内で1日100人近い陽性者が出ることもあり、その全員の健康確認、濃厚接触者追跡、入院先の調整と膨大な作業がありますので、勤務時間も大変長くなっています。都には引き続き支援をお願いしたいところです」(健康政策課)
その言葉通り、7月下旬のある深夜0時、新宿区保健所の灯りは煌々と照らされ、人の出入りが絶えることはなかった。
※週刊ポスト2020年8月14・21日号