ライフ

悩み相談に医師が暴言で炎上→謝罪 LINEヘルスケアの問題点

使い慣れたチャット画面や希望すればビデオ通話で健康相談できるのはコロナ自粛中にありがたい(イメージ)

使い慣れたチャット画面や希望すればビデオ通話で健康相談できるのはコロナ自粛中にありがたい(イメージ)

 LINEで気軽に相談ができるサービス、「LINEヘルスケア」で問題が起きている。相談者がLINEヘルスケアで悩みを相談したところ、医師から「言葉にできないやつはガキンチョだということですよ」「生きている価値がないというのは正解なんでしょうねぇ」「深く考えると結論としては、死ぬのが正解となりますし、たぶん正解なんでしょう」などの暴言があったという。なぜこのような問題が起きたのかについて、SNS関連サービスに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが解説する。

 * * *

 周囲でも、「(LINEヘルスケアで)相談できてほっとした」「相談したのに、ろくに答えてもらえなかった」と評価が分かれるLINEヘルスケア。実態はどうなっているのだろうか。

 LINEヘルスケアは、「24時間365日、医師に相談できる」とうたう、病院へ行かなくてもLINEで医師に相談できるサービスだ。内科、小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科の全国約2000人の医師が登録されている。利用者はアプリで医師を選び、「いますぐ相談する」のか「あとから回答をもらう」のか相談方法を選択し、トーク画面で相談する。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い病院へ行くのを控える動きが広がるなか、その対応策のうち「一般の方が抱える健康不安に医師が24時間でチャットによる相談に対応する窓口」として、経済産業省の「令和2年度補正遠隔健康相談事業体制強化事業」にLINEヘルスケアが採択された。コロナの影響が続いているため当初の予定より対象期間が延長され、8月末まで利用は無料だ。運営会社によると、LINEヘルスケアの今年2月時点での相談件数は前月比で40倍、友だち数は400万人に。その後も順調に利用は増加している。

 ところが、LINEヘルスケアの登録医師から、相談に対して「死ぬのが正解」などの暴言メッセージを送られたスマホのスクリーンショットが8月2日に拡散され、炎上状態に。その後、運営会社は事実関係を確認。その日の夜にはTwitterとスマホ向けサイトでお詫び文を掲載、8月3日付で「医師1名においてお客様に対して利用規約違反の行為が確認されました。お客様の気持ちを傷つけ、多大なるご迷惑をおかけしました」という謝罪文を自社サイトに掲載し、該当の医師を2日から利用停止にしている。

 LINEヘルスケアでは、医師免許および本人確認を徹底し、自社で決めた所定の基準を満たした医師が登録しているという。参加する医師は、自社ガイドラインや各種法規制を遵守することに同意もしている。では、なぜ問題が起きてしまうのだろうか。

診療ではなくあくまで健康相談というすれ違い

「オンラインで医師に相談できる」サービスと聞いた場合、皆さんはどこまで期待するだろうか。

 厚労省のガイドラインによると、このようなサービスは主に「オンライン診療」「オンライン受診勧奨」「遠隔健康医療相談」の3つに分けられる。「オンライン診療」「オンライン受診勧奨」には診断等の医学的判断が含まれるが、「遠隔健康医療相談」には含まれず、一般的な情報提供にとどまる。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン