国境をまたぐリスクを踏まえた上で開催するなら、前提条件として「ワクチンの実用化」と「選手・関係者全員への接種」が必要です。ところが、ワクチンの臨床治験では難点も多く見つかっており、実用化を見通すのは困難です。処方薬の実用化も間に合わないでしょう。
無観客開催でも、テレビ観戦などで「密」になるリスクが増える。国内の新規感染者数の増加傾向を鑑みても、五輪は中止すべきだと思います。
【PROFILE】かつだ・よしあき/関西福祉大教授。専門は渡航医学。外務省医務官としてスーダン、フランス、セネガル、SARS流行時の中国で勤務した。
※週刊ポスト2020年8月28日号