国際情報

急死のトランプ大統領実弟 告発本に出版差し止め訴えていた

弟ロバート(左)の急死に、兄はいま何を思うのか(1999年撮影。AP/AFLO)

 再選を懸けた大統領選に挑むドナルド・トランプ氏。その実弟ロバート・トランプ氏が急死したことが報じられたが、彼の死はトランプ大統領一族にとって大きな意味を持つ。7月に出版され大きな話題となっている、姪が書いた一族の“内部告発本”に対し出版差し止めを訴えていたのが、他ならぬ実弟だったからだ。在米ジャーナリストの高濱賛氏が報告する。

 * * *
 ドナルド・トランプ米大統領の実弟、ロバート・トランプ氏が8月15日夜、入院中のニューヨーク市内の病院で死去した。享年71。死因は新型コロナウイルスではないのか、との噂も出ているが、まだ明らかにされていない。

 現職大統領の家族・親族の死去とはいえ、主要メディアは通常、小さく報道するものだが、ワシントン・ポストはじめ米主要紙はロバート氏の死について長文の記事を掲載した。その理由は、トランプ大統領の姪で臨床心理士(博士)のメアリーさん(55)の近著について、出版差し止め訴訟を起こしていたのがロバート氏だったからだ。

 トランプ大統領は五人兄弟姉妹の次男。ロバート氏は末っ子だった。ロバート氏は、2016年11月11日、大統領当選祝賀会の席上、「兄を1000%支持する」と叫んで以来、公の場に姿を見せたことはない。

 そのロバート氏の名前が米メディアに大見出しで出たのは今年7月。トランプ大統領の長兄フレッド・ジュニアの一人娘、臨床心理士のメアリーさんがトランプ一族の内幕を告発した本を出版した時だった。この本のタイトルは、「Too Much and Never Enough:How My Family Created the Most Dangerous Man」。邦訳は『「世界で最も危険な男 「トランプ家の暗部」を姪が告発』で、9月15日に日本で出版される。

 ロバート氏はこの本の出版差し止めの訴訟をニューヨーク連邦地裁に起こしたのだ。出版を一番恐れたのはトランプ大統領だった。ロバート氏は兄のトランプ大統領に代わって(おそらく命じられて)訴訟を起こしたのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
横山剣氏(左)と作曲家・村井邦彦氏のスペシャル対談
《スペシャル対談・横山剣×村井邦彦》「荒井由実との出会い」「名盤『ひこうき雲』で起きた奇跡的な偶然」…現代日本音楽史のVIPが明かす至極のエピソード
週刊ポスト
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン