しかも財産相続をめぐる家庭内の協議は一切公表しないことで合意書を交わしていたと指摘。メアリーさんは、長兄がいないことをいいことに、メアリーさんとメアリーさんの兄には少ない相続金を渡していたことも明かしている。
トランプ大統領の言い分は、メアリーさんの兄の息子が脳性小児まひだったために、今後年間20万ドルを治療費に支給するから遺産相続額は「減額する」というものだったという。
ロバート氏は訴状の中で、「相続協議の内容は一切公表しないことを決めていたにもかかわらず、メアリーはその禁を破った」と提訴理由に挙げていた。しかし、連邦地裁は出版差し止め要求を退けた。
同書は発売と同時に爆発的な売れ行きで、8月16日現在135万部に達した。ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストでは4週連続トップの座を守っている。
トランプ大統領は、発売直後、「彼女とはほとんど会ったこともない。嘘を書きなぐることで私の両親と私を傷つけた。許しがたい。彼女はめちゃくちゃだ」と憤りをぶつけている。
ドナルド氏からの命令だった出版差し止めに失敗したロバート氏。今、兄の叱責や怒号から解放されてほっとしているのではないだろうか。まさに「R.I.P.」(安らかに眠る)かもしれない。