さらに人口統計もNFLの衰退要因である。簡単に言えば、若い世代は年長者ほどこのスポーツを愛していない。彼らにとっては、CMが延々と続き、プレーを中断させる反則が多発する試合は退屈だ。それなのに、貪欲なNFLは、日曜には時間帯をズラして複数の試合を提供し、さらに月曜と木曜の夜に試合を組む。これではお腹いっぱいだ。これだけの試合を受け入れてくれるのは、よほど熱狂的なファンだけだろう。
NFLを擁護する人たちは、コロナ問題が終息すれば来シーズンには元の隆盛に戻ると主張するだろう。しかし、リーグの混乱のなかでないがしろにされてきたファンがスタジアムに戻ることはないだろうし、ミレニアル世代が突然プロフットボールに熱狂することもないだろう。2021年には、人々がスタジアムに押しかけてグッズを買うためにお金を使い果たす光景もないだろう。
そして、2020シーズンのテレビ視聴率が落ち込めば、来シーズンそれを取り戻すことは難しいだろう。ファンの習慣が変わってしまうからだ。多くのファンはNFLの試合を習慣的に見ていた。日曜だから中継を見る、月曜の夜も同様に見る。この習慣化は、おそらく1960年代か1970年代からゆっくりと浸透したものだが、その習慣を1シーズンでもやめてしまうと、多くのファンの目からうろこが落ちる。そうすれば、なぜ日曜に5時間もフットボールを観戦していたのか不思議に思うだろう。いったん習慣が失われれば、元に戻すことはもはやできない。
(この記事は「American Thinker」の許諾のもと同サイトの記事を翻訳・要約したものです)
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