「外来患者がコロナに感染していて、結果的に院内感染が拡大してしまう可能性は否定できません。診療報酬は全国一律なので、固定費がかさむ都心の大病院は、もともと経営が苦しいうえ、医師や看護師の不足などから手術数も絞っている。そのうえコロナ患者を抱えることになれば、手術の延期などで収益が圧迫される。リスクを恐れているのです」(上医師)
熱がなく、他の症状で病院を訪れても、診察を断わられる場合もある。感染者が急増している沖縄では、医療体制が逼迫し、外来制限などの対応を迫られる医療機関が出てきている。
都内でも、すでに診察時間に制限を設けている病院が少なくなく、「急に胃が痛くなったので病院に行ったら、『いまの時間は、新患は受け付けていない』とにべもなく断わられてしまった」(40代男性)という人もいる。
オンライン診療(電話診療)の推進も謳われているが、誰もが活用できるわけではない。
「いつもの高血圧の薬をもらうだけなので、かかりつけ医に電話で受診し、処方箋を出してもらおうと思ったが、『オンライン診察はやっていない』という。診察時間が制限されているし、コロナの院内感染も怖いから、病院に行かずに済めばいいのだが……」(60代男性)
都内には約1万3000施設の病院・クリニックがあるのに対し、厚労省が公開している資料によれば、電話診療を導入しているのは約2000施設に過ぎない。
「都心」か「郊外」か
いざという時に、来院拒否に遭ってパニックに陥らないためには事前に自分がかかる可能性のある近隣の医療機関の診療体制をチェックしておくことだろう。HP等で診療体制が公表されていることが多い。