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不適切な医療行為繰り返す“リピーター医師”が消えないワケ

“リピーター医師”とは?

 さらに気になるのは、過去に医療過誤を起こした医師の存在だ。前出・貞友氏の話。

「刑事事件を起こした医師は判決をもとに医道審議会にかかり、行政処分を受ける。しかし、医療過誤によって民事訴訟で訴えられた医師の場合、行政処分になることはほとんどありません。判決が出て公になる前に、和解に持ち込むことが一因です。和解の際には『行政処分の申し立てをしない』『第三者に口外しない』という約束をさせ、情報が外部に漏れない。これによって、いわゆる『リピーター医師』でも、何事もなかったように現場に戻れるのです」

 貞友氏がいう「リピーター医師」とは、医療ミスや不適切な医療行為を繰り返す医師のこと。

「かつて厚労省は、たとえ刑事事件にならなくとも、医療過誤を繰り返す医師に行政処分を下す方針を示しましたが、実効性はありませんでした。

 リピーター医師は、患者側から訴えられたとしても被告尋問に1度出廷するだけ。賠償金の支払いも保険で賄われるため痛みを伴いません。そのため反省しているとは言い難い例もある。事故の被害者となった患者のことを忘れて診察を続ければ、同じ過ちを繰り返すリスクは高い」(同前)

 もちろん、こうした一部の医師の行状で、医療全体への信頼が揺らぐことは多くの医師にとって望むことではない。日本医師会もリピーター医師の存在を問題視。「自浄作用活性化委員会」などで議論し、医療事故への保険の支払い請求が多いケースを調査するなどして、医療ミスなどを繰り返す医師に再発防止の指導・勧告を行なってきた。

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