ライフ

一般人の日記収集家が語る日記の魅力「魂すら感じる」

志良堂さん(写真左)の集めた手帳類は1200冊にのぼる。現在は買い取りはしておらず、無料寄贈のみ受け付け

 多様な職業の77人が、新型コロナウイルスによって緊急事態宣言が出された今年4月をどう過ごしたのか、日記形式で綴った書籍『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』(左右社)が話題となっている。30近いメディアが書評や記事を掲載し、じわじわと日記ブームが広がっているのだ。SNSで日常を綴ることが一般的となっている今の時代に、人々は“日記“のどこに惹かれるのだろうか――。

 日記は私的な記録であり、他人に見せることを前提に書かれているものではない。だからこそ、思いの丈を綴ることができる。

 そんな「他人の日記」に魅せられた人物がいる。一般人の日記や手帳を買い取り、収集・展示を行う手帳類収集家の志良堂正史さんだ。

 他人の私物である日記類を1200冊所蔵し、東京・参宮橋に約400冊の手帳や日記が閲覧できる「手帳類図書室」を運営(現在はコロナ禍で営業停止中)する志良堂さんが、日記の魅力を語る。

「まず、アナログの日記は手触りやにおいなどが一冊一冊違っているのが面白い。なかには切り刻まれていたり血がついているようなものまであります(苦笑)。

 そこに書かれた文字もスマホに打ち込まれた均一の明朝体やゴシック体とは全然違って、筆の乱れや文字の大小が目立ちます。罫線を思い切り無視して書いていたり、数行書いて飽きてしまったのか『完』として無理やり終わらせているのに、数日後に何事もなかったように書き始めるなど、書き方も自由そのもので、書いている人の生き様や、もっと言えば魂すら感じます」(志良堂さん)

 他人の日記を読みあさるなかで、志良堂さんはあることに気づいたと話す。

「本来、日記とはその日起きた出来事とその瞬間における気持ちを書き留めておくもので、連続性はありません。にもかかわらず、おびただしい数の日記を読んでいると、多くの人が日記を書き進めるうちに、無意識のうちに気持ちが整理され、少しずつそこに書いてある内容がアップデートされているものが多いことに気がつきます。

関連記事

トピックス

なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン