毎日が新鮮な輝きに満ちて見えて、血圧も下がり、肩こりもよくなって未来も開ける――。日記を書けば人生バラ色、と思ってしまいそうになるが、すべてが丸く収まるわけではない。
先の、数多くの私的な日記に接してきた志良堂さんが言う。
「日記にポジティブなことを書き続ければ夢が叶うという、単純なものではありません。『死にたい』といったネガティブな言葉を書き連ねていると、それが呪いとして、自分の身に跳ね返ることもあるはずです。いろいろな日記を見れば見るほど、日記で救われるとは簡単に言えません」
確かに、7月に30才の若さで自殺した俳優の三浦春馬さんも日記につらい胸の内を綴っていたと報じられている。自分の心と真摯に向き合うことは、時に苦しく、恐ろしいことなのかもしれない。しかし志良堂さんが「それでも…」と続ける。
「一冊の日記を通して読むと、ほとんどの人が最初と最後で何らかの変化を遂げています。丁寧に書いていたのが最後は雑になったり、逆にすっきりとしたスタイルを身につけるなど十人十色ですが、何かが変わることは確かです。皆何かしら、書くことによって自分自身を更新していることは確かだと思います」
◆写真提供/志良堂正史さん
※女性セブン2020年9月10日号