“藤井包囲網”が生まれるというのだ。そうした対策の効果について、小暮氏は渡辺名人と同門の弟弟子である近藤誠也七段(24)を例に説明する。
「順位戦で藤井さんに唯一、黒星をつけたことがあるのが近藤さんです。話を聞くと1~2か月前からAIを使って綿密に分析したそうです。傾向を調べ尽くし、頭の中を“藤井一色”にして臨んで勝利した。近藤さんが優秀な若手だからできたことですが、他のトップ棋士も同様に攻略を目指すと、藤井さんも安穏としていられない」
藤井二冠は現在、唯一の10代プロ棋士。“大人気ない”構図だが、それほど藤井二冠の強さが際立っているのだ。
※週刊ポスト2020年9月11日号